骨粗鬆症の検査とガイドライン

骨吸収マーカー TRACP-5b 骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼとは?

骨粗鬆症に関する指標に、骨粗鬆症マーカーというものがあります。
この骨粗鬆症マーカーには、骨がもろくなっていく数値を示す、

  • 骨吸収マーカー

と骨が作られる数値を示す

  • 骨形成マーカー

の2つがあります。

今回のTRACP-5bというマーカーは、この内の骨吸収マーカーになります。

TRACP-5bは専門的にいいますと、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(tartrate-resistant acid phopshatate:TRACP)の骨型アイソザイムになり、平たく言いうと酵素の一種です。

TRACP-5bは骨を壊す(^_^;)破骨細胞の中に、局所的に存在していて、破骨細胞が骨を吸収すると同時に血液の中に漏れ出します。

ですので、破骨細胞の活動や破骨細胞の数を示す指標になるんですね。

骨吸収マーカーには、その他に1型コラーゲン代謝産物などもありますが、これらは主に尿での検査となり、尿検査で必要なクレアチニン補正が必要となります。

TRACP-5bはその点、血液の中に直接出てきますので、補正が必要なく測定値や生理的変動が安定するという利点があります。

ilm09_dd03004-sさらに血糖値のように、食事での影響や腎機能の影響をうけない、一日の中の生理的な変動(体温・心拍数など)がない、などの様々なメリットがあります。

腎機能の影響を受けませんので、透析患者など腎機能障害の患者さんへの、骨粗鬆症診断の要素として用いられています。

単位は(mU/dl)で男性で170~590の間、女性で120~420(YAM値)の間となります。

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2013年2月22日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:骨粗鬆症の検査

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